果てしなきスカーレット
( 2025/12/06 )
まず言っておくと、「ペリリュー」と同日に見ました。
ネットで酷評されているのを知ってから見に行きました。
結論だけ言うと、ボロクソに酷評されているほどひどい駄作ではなかったですが、ボロクソ言われる理由もまあわかるな…という感想でした。
ちなみに私の近くに座っていた御夫婦?は終わったあとシアターを出ながら「めっちゃおもしろかった!」と言ってました。
一言で表すなら「圧倒的説明不足」です。
24話くらいあるアニメの総集編を見せられてる感じといえばいいのでしょうか。
とにかく展開が駆け足です。
展開が駆け足でぶつ切りだから、スカーレットが決意を固めたり揺らいだり、なんかふわついてるように見える。
それに輪をかけてふわついてるのが聖ですね。
なんというか、少年漫画にたまにいる足手まといなヒロインキャラみたいなムーブをします。
正直ちょっとイラッとしました。
というか聖、現代人の看護師の割には何でもできますね。弓とか馬とか。
そのへんも理由付けがあるのかないのかわかりません。
そもそも「死者の国は年代関係なく死者が入り乱れてる」みたいなのも説明なかった気がするな…
聖はスカーレットから見たら未来人であるっていう説明もなかった気がするな…
「そんなもん見たらわかるだろ」ってことなのかもしれませんが。
そして聖は現代人の看護師なので、人を撃ったりはできません。
その覚悟が決まらないのは、まあ仕方ないな…って感じではあるんですが、その割に終盤ではすんなり撃ってて違和感。
さて、毒殺され死者の国に落ちたスカーレットは仇敵も既に死者の国にいることを知り、復讐を誓って旅をします。
道中で聖と出会い、そして聖ともどもキャラバンに拾われ、張り詰めていた状態から心許せるようになっていくのですが…先に書いたように、その過程が駆け足なんですよね。
最後は仇敵と相対しますが、仇を討つことはなく、なんとなく許します。
ここも本当に「なんとなく」なんですよ。
私個人的にはスカーレットが復讐を果たすか、命は奪わないにしてもゴリゴリに論破してメンタル的復讐は果たしてほしかったんですよね。
最後は「実はスカーレットは昏睡してるだけで生きている」ことが発覚して、聖を置いて死者の国を出ていきます。
スカーレットの行いがいつか未来を変えて、聖のいる未来がよいものになるように。
ところで定期的に出てくるあの竜みたいなの何だったんでしょう?
あの老婆も何だったんでしょう?
本当にね、説明が足りないんですよ。小説読んだら書いてあるのかな。
あと、芦田さんのお芝居がちょっと…な感はありました。
喋ってる時は気にならないんですが、叫び声とかになるとちょっとどうだろう…
慣れてなさそうというか、声優さんって俳優さんとはまた別のスキルが求められるからね…
ネットでボロクソ言われてた唐突な渋谷ミュージカルですが、「という夢を見たのさ」っていう演出かな。
もしくはメタファー…話の前後を考えると聖とのセッ…こっちのほうが有り得そうで怖い。
台詞回しがいちいち芝居がかっててクサイみたいなのも、本作がファンタジーであり、原典がハムレットなのを考えると、まだわからなくはないです。
とはいえミュージカル部分に限って言えば音楽も映像も前作の竜とそばかすの姫のほうが遥かによかった…
ざっくり評価すると、理解力が求められる映画でした。
読解力と妄想力が3:7くらいで試される…
最後なんとなく綺麗にまとめたからまあヨシ!じゃないのよ。
おもしろくなりそうなポテンシャルはあるのになあ、と。
ところでメインビジュアルの現代日本に立つスカーレット、あれも何だったんでしょう?