main

同人誌を作ってみた

( 2025/06/21 )

以前から同人誌を作ってみようかな、という思いはほんのちょっとありました。
それを形にしてみた話。

小説のPDF化

以前、単にPDFにだけしたいときはTATEditorを使いましたが、今回はいろいろやりたいので別のソフトを検討。
印刷所の推奨ソフトはどこも口を揃えてMicrosoftWord。そんな高級なものは私にはないです。
同じワープロ系でLibreOfficeを使おうと思いましたが上手くいかず。私には扱えない…
そこで辿り着いたのが威沙。最初はわからないことだらけですが、わかってくるとめちゃめちゃいいですこれ。
最終的に使ったソフトは以下。
テキストのPDF化:威沙
表紙作成:FireAlpaca、CG illust 4.5+
PDF編集:CubePDF Utility
アウトライン化:CubePDF
ほぼフリーソフトです。すごいね、フリーソフト。
ほか、フリー画像やフリーフォントなど。すごい、同人誌って無料で作れるんだ…

本文のレイアウト、表紙等のデザイン

余白、飾り枠、段組などなど。
一旦A5とA6で考えました。
威沙用の表紙、中表紙、奥付などのテンプレートはこちらからお借りしました→https://pbschat.com/izuna-t1.php
あとでわかることですが、これは最後にやるべきでした。

脱線:SSまとめ本

威沙の使い方を学ぶためと、簡単に折本作ってみたい気持ちもあったので、マヒル実装発表時に書いたSSをまとめることに。
そしたらインストール版威沙では上手くいかず、web版威沙を使うことになりました。
4/12発行扱いになります。用紙はそのへんにあったコピー用紙、プリンターは自宅のCANON。
とても楽しかった。

印刷所の選定

おたクラブさん、オレンジ工房さん、ブロスさんが候補でした。
完全に値段だけで選定しました。
ひとまずおたクラブさんに決定。
ほかにも1冊単位で出せる印刷所もあるにはあったんですが、本文紙が希望に沿わなかったり、R18が出せなかったりで、残念ながら今回は選びませんでした。

紙の選定

印刷所の選定とほぼ同時に行っていました。
本文紙が90kg、72.5kg、70kg、62kg、57kg…
表紙がNTラシャ、色上質、里紙などなど…
表紙についてはわからないのでサンプル取り寄せました。
松本洋紙店さん、宅配紙販売さんで取り寄せましたが、サンプル取り寄せられる印刷所もあったのね…
松本さんは有償サンプル。厚み・色別に5枚くらいって書いてあったけど10枚くらい入ってました。
紙販売さんは無償サンプル。A4冊子2冊分の大ボリュームで、一部は現物もちょびっとあります。
最高か?
比べてみた結果、色上質は薄い+手触りがすべすべしすぎてて、除外。
NTラシャと里紙で好きな色があるほうってことにしました。
実際にサンプル触りつつ、母と妹にも相談した。
本文紙は以前参加させていただいたアンソロ(A5)がおそらく90kgだろう…と踏んで触ってみて、少し硬め・厚めだなって感想だったので、それより薄いものを採用することに。
今回の同人誌が100p越えなので、90kgだと厚くなりすぎちゃうかなと思いました。
私は同人誌は薄ければ薄いほどいいと思ってます。

サイズの決定

これが地味に難しかった。なぜなら私はほぼ電子書籍でしか本を読まないから。
ということで家にある小説本を見比べ。
A5:同人誌としてはスタンダードなサイズ。2段組みでも問題なく文字が読める。
B6:このサイズはなかったのでB5紙を折って確認。2段組みは無理そう。
新書:B6よりひとまわり小さいサイズ。2段組みは無理そう。
A6:2段組みは絶対無理。あとページ数が嵩む。
上の結果をもって母と妹にも相談しました。
そしたら「絶対にA5!B6、新書、A6は小さい!小さいサイズにするなら1段組!」と主張されました。そりゃそうだ。
特にA6サイズを2段組にすると、文章やセリフの途中で細かく改行が入るのでストレスです。(PDF出力して確認)
また、一般的な印刷所は紙のサイズに関係なくページ数が増えると料金が変わるので、そういう意味でもA6は向かないかも。
おたクラブさんならA6にすると安くなるから候補としてありです。

本文のレイアウト、表紙等のデザイン(再)

サイズも決まった、印刷所も選定できた、ページ数もなんとなく把握できたところで印刷所のテンプレートをダウンロードしてやり直し。
なんなら最初にやったレイアウトは紙のサイズすら違ってました。
お借りしたテンプレート、新書サイズだったんですよ…ちゃんと見なよ自分…
で、表紙もカラーにすることにしたので、取り寄せた紙サンプルも使い道がなくなってしまいました。
まあ紙を触ってるだけでも落ち着くことってあるし…
ちなみに表紙デザインはあとでもう一度やり直す羽目になります。

処女作(幻)

試作なので「ハンターとヴァンパイア」の本編部分だけで作成してみることに。加筆修正もひとまずなし。
4月下旬段階で完成してたけどGW明けを待って入稿(この話妹にしたら「スパコミあるからね」と秒で察してくれた)
という計画を練っていたのですが、↓の完全版が思ったより速く着手できた関係で、フルで出すならいらないなと思い、これは幻の本になりました。

処女作(真)

表紙やら何やら練り直しつつ本文の加筆修正を始めたのが4月後半。
6/8にTRCでオンリーがあるのでそれ目指して書く?(オンリー申込締切5/12)と思ったけど、イベントに出るのはまた別の話だな、と思い、結局イベント参加もなし。
この間に妹の引っ越しが入ってちょっと停滞してた。
とりあえず引っ越し前に加筆修正は概ね終わり。
校正、それはこの世で最も嫌いな作業のひとつ…
ハンターとヴァンパイアは9/21のレンアイ深化論に合わせて発行することに。
夏コミ終わる頃に入稿するのを目標にしてました。

表紙のデザイン(三度目)

加筆修正終わったところで、再度表紙に着手。
といってもデザインはほぼできてたので、微調整だけです。
最初は加筆前のPDFでページ数算出してたので背表紙を5mmで作ってたんですが、加筆修正してあらためてページ数算出したら大幅に増えており、8mmになってました。
なにせ、表紙除いたページ数が128→160に増えたのですから…
中表紙と奥付含めて最終的に166ページとなりました。
同人誌は薄ければ薄いほどいいと思ってます(白目)

価格の設定

ちょっと現金な話をします。
今回はほぼWEB再録+自己満足で出した本なので、あんまり値段はつけたくないな…と思ってました。
とりあえず10冊と仮定して印刷代+送料を冊数で割り、BOOTHに引かれるマージンを計算し、ギリギリ利益の出ない額を割り出しました。
実際は梱包資材代もかかるからもうちょっと余裕はありましたが。
利益が出ると確定申告がね…
お求めいただく方に頒布送料持ってもらうわけにはいかないので、そこから印刷所からの送料と、あんしんBOOTHパックの送料分を引いて、頒布価格としました。
最初に計算した『ギリギリ利益の出ない額』の40%くらいです。
なかなかちょうどいいと思います。ひとつ指標ができた的な意味でも。

印刷所の選定(再)

と、ここまで考えといてなんですが、諸々調べてる時にちょ古っ都製本工房さんと巡り合ったので、こちらに変更。
1冊単位で印刷できるのと、送料が安いのが決め手でした。
印刷費用はA5ならおたクラブさんと同じくらいの価格帯です。

いざ印刷

そんなわけで最初に自分用に1冊だけ刷りました。
発行日は6/8。迷ってたイベントの開催日ですね。
妹の引っ越しは業者呼ばず自分たちで荷物を運ぶ必要があったので、車出したり荷解きしたりでちょっと停滞しそう…と思ったので、停滞するくらいなら1冊やっちまうか!くらいの気持ち。入稿は5/16でした。多分翌営業日扱いになるから実質5/19かな。
試しの1冊で原稿の作り方、印刷の流れ、色味の確認、印字のズレ具合など確認。
そしたらなんと2冊来たんですよ!ありがたいなこれ!
ただ片方は背表紙に少しヨレがあったんで、これを赤ペン用にして、もう1冊はとっておきます。
この1冊に直接赤ペンしまくって校正しました。
ちょうど妹の引っ越しも終わったんで、校正をちまちま開始。
この間にNO.6の新シリーズも発売されたので、書き終えてから校正まで少し日数空きました。頭もリセットできていい感じでした。
上記の売値の話も部数アンケ取る方向で解決。

イマココ

はい。今まさに部数アンケートをとっているところです。
1冊も希望がなければ当然世に出ない本になるわけですが、それもまあそれでよし。

次回以降

まったくもって未定…
1月に新作出したいなあと思いながら、装丁考えつつ、構想練りつつ。
5月時点では1ミリも書いてません。
出るとしたら八割くらい完全新作、二割くらいweb再録+リメイクになる予感。
それとは別に1話目だけ書いて放置してる長編があるので、いっそこれもちゃんと書いて本にしようかな…という希望的観測。

とはいえ新作と書きかけ長編は全く未定です。
今回1回やったら満足してやめるかもしれないし。その可能性のほうが高い。
書いたら書いたで通常通りweb公開にするかもしれないし。
書いたものをPDFにして、表紙考えて、あれしてこれして、ってのは楽しかったですけどね。
この経験がなにかに生きると信じて…